ふぁんトントのブログ

Explore IKOMA Mountain Range with Virtual PANO Tours, Enjoy them as if you are there.

*

昭和の歴史遺産「生駒山航空灯台」の跡地を訪ねる

   

blog title 20160831

昭和初期(昭和7年~8年頃)になると、郵便物等の運搬を航空機で夜間に定期的に行うようになりました。これら夜間飛行の安全に寄与したのが、航空灯台が放つ閃光だったとのこと。

太平洋戦争の戦況が悪化するとその多くが消灯されたものの、戦後になると復活して日本の民間航空を支え続けました。やがてテクノロジーの進化により、一部を除いて各地の航空灯台は廃止・撤去されることとなり、その数少ない例外が、生駒山(山名:鬼取山)の航空灯台を再利用した「近鉄生駒山無線局」でした。(※生駒山航空灯台)

+Yoshikatsu Okunoさんが2016年3月に撮影

Googleマップ – 360°パノラマ

スポンサーリンク

昭和の歴史遺産がまた一つ消えた

2016年1月ごろ通りかかった際には足場が組まれて作業中でした。5年ほど前にも修復工事などが行われているので、さほど気にも留めずに遠目に見て通り過ぎました。しかし、その直後に撮影された360°パノラマをGoogleマップで見てびっくりしました。建物は取り壊されてすでに更地になっています。

2016.08.30撮影

Googleマップ – 360°パノラマ

昭和初期に整備された航空灯台

神戸史学会

歴史と神戸 通巻306号

「戦前の航空灯台」に関する資料は乏しいようです。神戸史学会「歴史と神戸」 53巻5号(通巻306号、平成26年10月1日発行)に次のような記事が掲載されました。

航空灯台

目次・「兵庫県内の航空灯台について」(著者・柴田昭彦氏)

記事には第一期から五期まで整備された各地の航空灯台に関する資料が詳細な別表で示されています。

http://www.kobe-sigakukai.com/nc/htdocs/

神戸史学会

交野三山縦走(交野山・旗振山・龍王山)

観音岩

交野山(観音岩)から見た旗振山と龍王山

別表の資料によると、交野市の龍王山にも設置されていたことが分かります。山頂にある雨乞い岩の北側あたりです。

https://yamap.co.jp/activity/265288

源氏の滝から交野三山縦走(交野山~旗振山~龍王山) | YAMAP 山登り・アウトドアの新定番

2016年3月上旬に源氏の滝から交野三山を縦走して航空灯台跡地を見てきました。交野山周辺のルートは多数存在します。交野市が指定する文化財が多数点在する「石仏の道」と絡めた縦走ルートがおススメです。

Google マイマップ – 石仏の道(交野山・ご来光道)


龍王山の航空灯台跡

Googleマップ – 360°パノラマ

航空灯台の跡地は意外にも簡単に見つかります。遺品と言っても石仏と違って昭和初期には現役だったワケですから。。。

航空灯台

龍王山の山頂に残る航空灯台の跡

コンクリート礎石が4つ残っていました。鉄骨の根元も確認できます。

航空灯台

北東角のコンクリート基礎

比較的状態がイイです。切り取られた鉄骨の根元部分が残っています。

航空灯台

南東角のコンクリート基礎

倒木の根が斜めにかかっています。

航空灯台

北西角のコンクリート基礎

ちょっと落ち葉に覆われていました。払いのけて撮影。

航空灯台

南西角のコンクリート基礎

この礎石は土に埋まっていて、少し掘り起こしました。基礎の結界面積からもわかるように、そんなに高い鉄塔ではなかったようです。現在の送電鉄塔を見てもわかるように、高い鉄塔は結界も広い。

鉄塔

結界が広場のような北河内線68号の鉄塔下

当然といえば当然ですが、前述の資料には鉄塔の高さなども記載されています。

資料に見る「龍王山航空灯台」

航空灯台

航空灯台の跡地を南側から見る

設置年から第二期航空灯台に分類されています。

  • 設置年:昭和14年
  • 廃止年:昭和18年
  • 高さ :5.5m
  • 「木津から移転したもの」と記されています。
  • 増設、移設、改造、撤去を繰り返した航空灯台の数奇な運命を想起させますね。太平洋戦争の戦況悪化で消灯され、鉄骨は剥ぎ取られ、溶かされ、、、

    悲しい歴史です。

    まだまだある? 航空灯台の遺構


    生駒山系以外の航空灯台跡地も訪問しました。

    一覧表には、遺構の現存が確認されたものに印が付いています。著者・柴田氏の脚注によると、『全てを網羅したわけではない』とのこと。探せば新たな発見があるかもしれません。興味のある方は、「歴史と神戸」を読んでみてください。バックナンバーは、神戸史学会のウェブサイトから取り寄せ可能です。

    http://www.kobe-sigakukai.com/nc/htdocs/?page_id=34

    『歴史と神戸』入手方法 – 神戸史学会

    石仏

    円通池の石仏

    今も人々に微笑む野仏、人々の記憶から(遺構さえも)消え去る航空灯台。どちらも人間が造り出したモノ。航空灯台が廃止されたのは昭和44年(1969)です。

    半世紀も経っていない。

    野仏

    野仏(国見山への尾根道にて)

    必要なくなれば、あっという間に忘れ去られるのでしょうね。人間の創りだしたモノは、美しく物悲しいです。

    では、また。

    この記事は2015年2月18日に公開した「龍王山に残る戦前の航空灯台跡」をリライトしました。

     - 山歩き ,

    ad

    ad

    Message

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

      関連記事

    生駒山の自然を歩く会・第1幕

    オリジナルマップ(縮小版) 今回紹介するのは、「眼鏡山から室池へ(17)」です。 …

    一針薬師笠石仏
    生駒石仏界の超大物見聞録「一針(ひとはり)薬師笠石仏」(三郷町勢野東・持聖院)

    JR大和路線「王寺駅」の北口を出て大和川を渡ると、土手の上から丘陵地帯の裾野に広 …

    マーキング
    美の谷訪問記その1(前編)

    平成三年に平群町教育委員会が刊行した冊子を参考に、美の谷を訪問してきました。 美 …

    信貴山日没
    ナイトハイクでPL花火の鑑賞を計画してみる。

    台風が通過して梅雨が開けたと思ったら、またジメジメした長雨が続きました。週末には …

    一等三角点
    生駒山上遊園地の営業が再開すると春がやってくる

    生駒山上遊園地はその名のごとく標高642mの生駒山の山頂部にある遊園地です。開園 …

    Google Photo Sphere Camera
    全天球パノラマ写真(Geo-Pano)のススメ

    iPhone5Cで全天球パノラマ写真を撮ってみよう Googleビュー・マップは …

    タイトル(20160817)
    アウトドアの新定番YAMAP(ヤマップ)を100パー使いこなして「生駒チャレンジ」に参加しよう

    アウトドアの新定番として人気急上昇中のYAMAP(ヤマップ)のアプリを100パー …

    ササユリ
    初夏の生駒山系2016

    初夏の生駒山系は風景や植物を観察するのが楽しみです。梅の伐採が決定した枚岡梅林の …

    八丁岩
    生駒山系の巨石遺構

    生駒山系の山歩きでは、季節ごとに変わりゆく風景、色彩豊かな植物、歴史を感じる石造 …

    おと越
    八尾市の公立中学校で給食が始まった

    八尾市内にある15校の公立中学校で「選択制の給食」がはじまりました。「八尾市立中 …