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生駒の古道「上津鳥見路・春日供物運上路」

      2017/07/26

今回ご紹介する「生駒の古道」は生駒谷から鳥見谷へと舞台を移します。この地域は神武天皇による建国神話の伝承地としての遺跡が数多く残されており、見どころの多い地域でもあるのですが、近年において住宅開発が盛んになり、かつての面影は失われてしまったようです。

桧窪山

西側から見た桧窪山|ニギハヤヒの墳墓

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上津鳥見路(かみつとりみじ)とはなんぞや

上津鳥見路に関しては昨年の当ブログでも紹介しているのですが、今回は写真を再整理して見どころをより詳しくご紹介したいと思います。

http://juantonto.wpblog.jp/post-0-13/

『上津鳥見路』をブラブラ歩く

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生駒の古道(生駒民俗会2014年刊行、以下「本書」と言います)によると、磐船街道に端を発し「南田原・出店~白庭台・鳥見浦池~生駒市上町・庄~奈良市二名」を通過するルートとして紹介されています。ルートは二名の分岐を東進すると奈良市一条通に至り、南下すれば砂茶屋で暗越街道に出会うとなっています。

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今昔マップ on the web(1892-1910)

本書61頁の補遺によると奈良の春日神社へ供物を運ぶ東西南北の運上路のうち、西路に当たるとされ「上津鳥見路=磐船街道」であると考察されています。

神話伝承地の風景

生駒市上町は高山郵便局を北端にした富雄川両岸の土地で、ほぼ南端にあたる西村橋の東へ200mの地点にある筒井氏ゆかりの圓證寺は有名な古刹です。その南方の小高い丘の麓に神武天皇聖蹟鵄邑顕彰碑がたっており、山頂部には天忍穂耳神社が立っています。

神武天皇聖蹟鵄邑顕彰碑

神武天皇聖蹟鵄邑顕彰碑

生駒市上町をGoogleマップで確認すると富雄川流域と3つの飛び地が表示されます。近鉄けいはんな線の沿線沿いに新興住宅街が開発されたためで、この結果神話伝承の地は大きく変貌を遂げることになりました。


勝尾坂は白谷緑道と変遷
P1180791

本書のコラム欄には1980年代初頭の勝尾坂を撮影した写真が掲載されており、かつての様子が伝えられていますが、現在では全く往時の面影はありません。コラム欄に紹介された現状のいくつかを紹介しましょう。(紹介する石標などは元の場所から移設されたものです)

鳥見白庭山

P1180802

白谷集会所の南東隅で、饒速日命(ニギハヤヒ)の住居があった場所と伝わっています。

長髄彦本據

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鳥見浦(とうら)池の北側にある溜池のほとりで、長髄彦(ナガスネヒコ)の屋敷跡とされる場所です。

饒速日命墳墓

Google+

矢田丘陵北部にあって上津鳥見路のルートからは離れた場所にあります。本書には旧建立地の写真が掲載されていて興味深いです。往時が偲ばれます。

ココは必見!上津鳥見路

道筋の現状はすべてアスファルトで舗装されていて面白くありません。いくつかの見どころに立ち寄りながらブラブラ歩くのがオススメです。

シンドンド

岩蔵寺・七末寺の一つ法薬寺の通称で、新塔堂(しんとうどう)が訛って「シンドンド」だそうです。一見すると廃寺かと思える場所ですが、お盆の数珠繰り行事は盛大であるとのこと。

地蔵菩薩像

室町時代の造作と推測される地蔵菩薩像

見学の際はせり出した屋根で頭を打たないように気をつけてください。

稲葉谷安永磨崖笠行者像

シンドンドから西へ向かう道が稲葉谷と言われても想像もできません。しかし緩やかに登る坂であることは確認できました。

https://plus.google.com/photos/112867026438140712307/albums/6168676172126063617

稲葉谷安永磨崖笠行者像

G+ Web Album

磨崖行者像のある崖だけが保存されているようです。足元の石がグラグラするので見学の際はご注意ください。

福満寺

バス停「庄西口」の先を東に下った先が、「馬の出合い」と呼ばれる場所ですが道標のようなものはありません。

P1180778

福満寺に至る分岐には古い道標が残されていました。庄垣内集会所の敷地に保存されています。「すぐ 大坂」は「まっすぐ大阪」の意味ですね。

P1180758

https://plus.google.com/u/0/b/112867026438140712307/photos/112867026438140712307/albums/6168671513694574833?sqi=115728817027555349435&sqsi=9ed4869c-9780-4e91-9145-326be05b5c24

福満寺と菰谷日限地蔵尊

G+ Web Album

ここでの必見は福満寺本堂前庭に祀られた菰谷日限地蔵尊です。永仁六年(1298)銘の地蔵石仏は厚肉彫で見逃せません。

真弓山・長弓寺

富雄川に架かる朱塗りの真弓橋を渡って長弓寺に向かいます。北生駒屈指の名刹とあっては訪問しないわけにはいきません。色々と見どころはありますが、山門周辺と境内隅に集められた石造遺物が気になりました。周囲の住宅開発で集められたモノだと思いますが、中には貴重なモノがありそうです。

https://plus.google.com/u/0/b/112867026438140712307/photos/112867026438140712307/albums/6168666971160723105?sqi=109632946778598902822&sqsi=8473d5eb-1ffd-4406-98cd-85c36863ece3

真弓山長弓寺の石造物

G+ Web Album

Google+への投稿やウェブアルバムを閲覧するには、アプリから行うのが便利です。

ハイキングする?ウォーキングする?

どっちでもいいのですが、上津鳥見路だけならけいはんな線の学研北生駒駅や白庭台駅を起点すれば、半日もあれば十分に見て回れるでしょう。山歩きじゃないと物足りない(特にアテクシ)方のために、前半または後半に組み込める山歩きコースをご紹介しましょう。ただし、例によって一般的でない鉄塔巡視路ですが。。。


http://yahoo.jp/PDSTZy

ルートラボでは昨年歩いたコースの一部を切り出しました。起点を長弓寺のある月見橋付近に設定していますが、北生駒駅や白庭台駅を起点にするなり、または東生駒駅を降り出しに北上して、上津鳥見路で富雄川に出るということもできますね。富雄川まで来ると奈良交通のバスが利用できるかも知れません。

矢田丘陵北部

矢田丘陵北部マップ

矢田丘陵北部は生駒市総合公園(テニスコート)までが、散策路として整備されています。そこから北側は鉄塔巡視路が南田原バイパス(県道701号)まで通じています。ルートラボでは西の岩蔵寺から登っていますが、バイパス側からでも突入できます。(黄色のルート)先に紹介した饒速日命墳墓を目指す方がよく歩いておられるので、踏み跡はハイキング道並にしっかりしています。また、この地域でよく見かける「ほうじさし」が目印になるでしょう。

P1180902

ご利用は自己責任で

毎回のお約束事ですがハイキング道ではありませんので、道迷いや藪こぎなどのリスクが伴うことをご承知おきください。また繰り返しになりますが、「上津鳥見路」だけのウォーキングなら軽い運動靴でのんびり歩いてくださいね。

では、また。

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